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BUCK-TICKアルバム紹介
『ONE LIFE,ONE DEATH』(2000.9)


横棒



このアルバムは今井のカラーが断然強い。本当にB−Tのアルバムはその時々で今井色、櫻井色が割とはっきり出ている事が多い。
櫻井のダーク色よりも今井のキチガイ、不思議色が強いと思う。詩よりも曲で伝えようとしている感じ。詩はあくまで曲を彩るノイズの一つとでもいいたいような・・・
ダークさが薄い分、比較的初心者向きとも言えます。

それにしてもこの前の「ストリームライナー」から3年もの月日が流れ、やっと出たこのアルバム。この月日の間、事務所を移籍するなど、かなり音楽活動以外ですったもんだあったのでしょう。

惜しむらくはこの移籍騒動の間に、まだ前の事務所に籍があったときに出された、

名曲「ミウ」(作曲星野)

この星野のアコースティックギターの良さを全面に押し出した、久々の会心の名曲がなんとこのワンライフには入らなかった事は大変な不幸です。

もし、この今井色の強い、変化球に富んだアルバムにこの星野の名曲が渋く加わったならどんなに名盤となった事か・・・残念でなりません。
アルバムしか買わない、アルバムの曲以外は知らないという方は多いと思います。

この「ミウ」は絶対聞くべきです。是非手に入れて星野のギター、櫻井の透明な世界に酔いしれて下さい。数あるB−Tの名曲の中でも5位には絶対入る曲です。(まあ今井ファンの方はちょっと違うでしょうが、自分はB−Tの公平なファンなので。)
・・・5位以内は若干言い過ぎか?じゃあ、「JUPITER」、「ドレス」、「ミウ」の星野3部作という事にしますか。確実にこの3曲はB−Tの代表曲TOP10に入ります。たびたび言いますが、今井の曲だけじゃなく、星野が渋く作曲するところがB−Tをより厚くしています。
ちなみにシングルで手に入れなくても、このアルバムの後に出たライブアルバム(ですよね?)「ONE LIFE,ONE DEATH CUT UP」や、前の事務所から本人達に関係なく出されたというベストアルバム「97BT99」にも入っているようです。私はこれ持っていませんが。


01.Baby,I want you.

〜詞:櫻井 曲:今井〜

(〜さあ踊ろう 泣けてきちゃうくらい〜)

トロピカル・SEXY天国と、詞からして弾けた歌。
主にライブのために一発目に賑やかな奴を持ってきたんだろうな、と思います。
それにしても詞がいやらしいな〜女性ファンへのサービスか?


02.CHECK UP

〜詞:今井 曲:今井〜

(〜How are you ? Lesson1 easy game〜)

出ました、今井作詞作曲。まさに今井ワールド。
個人的に好きな流れだが、今井の曲にありがちな単調な部分があるのが残念。
特にサビの「ノーライフ、ノープライド、ブレイクアウト」の連呼はB−Tならもう一ひねり欲しかった気がする。今井のコーラスを入れるとかノイズとか。
イントロ部分(Lesson1,2,3のところ)の方がサビより良いという、まあ一般ウケしないB−Tらしい曲と言えますか。


03.GLAMOROUS

〜詩:櫻井 曲:今井〜

(〜扉を突き抜けたら 光のシャワーの中へ〜)

シングル、このアルバムの表向きのメイン曲。
このアルバムは比較的今井色のB−Tらしさが出ている曲が多いが、今井色が強いあまりB−Tの公式曲といえる櫻井作詞の曲にヒットがない。
その中でまあ、櫻井作詞の中で一番シングルとして世に出していいかな?という程度の考えから、この曲を選んだ気がしてならない。
そんな訳でバクチクにありがちですが、シングルの割にはこの曲はそうでもありません。(辛口過ぎ?)
リズムがよく、世間の方でも聞きやすいという程度です。
しかしさすがはバクチク。この詞は明らかに”クスリ”ですが・・・それを全国発売のメジャーシングルで堂々と・・・


04.細胞具ドリ−:ソラミミ:PHANTOM

〜詞:今井 曲:今井〜

(ドリ−が1匹、ドリ−が2匹)

2曲目に引き続き、またしても今井のための曲。
素晴らしい。ここまでキがふれた作詞を書ける人間が一体この世には何人いるのだろう。
今井のキチガイの詞には本当に今井のノイズがよく似合う。
題材は世間的にも有名な、クローン羊のドリ−。
それと近未来のサイボーグなどをかけ合わせ、世の中の現実、常識の紙一重の危うさを説いています。
一度生まれて、一度死ぬという歌詞のとおり、このアルバムの表題曲であり、裏の代表曲といえるでしょう。


05.カイン

〜詞:櫻井 曲:今井〜

(アベル 何をそんなに怯えているの)
これはこのアルバムの中で数少ない櫻井の色が強い曲。
聖書の中でもつとに有名なアダムとイブ(エバ)の禁断の果実事件から生まれたアベルとカインの兄弟。
その兄弟が神への供え物をした際に、自分の供え物がウケなかった腹いせに弟のアベルを殺すという大罪を働いてしまったカイン。
そのカインの永遠の苦悩を書いた詞です。曲はバラード調。


06.Death wish

〜詞:櫻井 曲:星野〜

(あの娘が言う 愛してるわ いいえほんとは反吐が出るわ)
毎回2曲程度入る星野の曲のうちの1つ。
いかにもイメージを先行させるような星野らしい曲です。

あ〜の娘が言う〜のところで星野のバックコーラスが入るところがライブでは格好よかった。


07.女神

〜詞:櫻井 曲:星野〜

(叫び声 俺は破裂した 狂おしく愛おしい)
星野の曲パート2
今井色の強いこのアルバムの中で中間に2曲星野の曲を持ってきて小休憩といったところです。
バラード調でありながら、盛り上がるところはなかなか感情がこもっていて良い。
櫻井も星野の曲には感情移入しやすく歌えるんじゃないかな。
特に最後の、「優しいんだな、君だけは こんな僕に 君だけは」のところは櫻井の歴代の作詞の中でもかなりの順位に入る名曲ならぬ名詞といえます。


08.サファイア

〜詞:櫻井 曲:今井〜

(Shine. 聖なる夜濡らす Rain. 雫を浴び気が触れた)
今井の場合、バラード調の曲を作ってもこういう変わった曲になる。
そしてこれだけ変わった曲だと何度聞いても飽きがこない。
やっぱり自分はB−Tが好きなんだな〜と実感できる曲。
初心者の人にはわかりにくいですが、マニアにはたまらない曲。
このアルバムの中で一番気に入った曲ですね。

特にバックコーラスの女性の高めの音がいい。
ライブだとうまく表現できないけど。


09.RHAPSODY

〜詞:今井 曲:今井〜


(この世のてっぺんで跳ねよう アドレナリンを噴射させて)
さすが今井の作詞作曲、他のアーティストを振り切ったB−Tらしい個性的な曲。
何回も繰り返し聞くには多少重い感じもするけど、たまに聞くとなかなかの名曲。
こういう曲が入っているところがこのアルバムのいいところ。
多分また数年後に聞くともっとよくなっているんじゃないだろうか。
まだ自分の中で熟成が足りないかもしれない。
ちょっとここら辺が初心者の方にはわかりにくいでしょうが・・・

特に最後の”俺はうまく咲けてるか、そう花がいい”のところなど、男なら誰しも胸に思うところのある歌詞であり、今井も詞の方でもなかなかやるな、と感じる。


10.FLAME

〜詞:櫻井 曲:今井〜

(あの日恋をし〜た〜 忘れかけたは〜な〜が咲く〜)
基本はバラード調でありながらもサビは結構盛り上がる。
恋を花に例えて、咲き乱れる時もあれば散ってもいく、という全体的に暗い感じのテーマで、そこに一筋の明かりを求めようという、櫻井らしいどこか重い、深いテーマを感じる。
アルバムの締めとして、落ち着いた曲を持ってきましたね。

1ライフ、1デスというこのアルバムの表題のとおり、華々しく咲いて、散っていくことに人生の一つのテーマを見い出そうという感じでしょうか。






(2005.6.26UP)






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