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BUCK-TICKシングル紹介・批評
『ミウ』(1999.10)


ミウ

横棒


(新型コロナによりとにかくステイホームとなっている2020年5月の連休中、この機会に今までアップできなかったページを更新しています。)

3ヵ月前にリリースされた「BRAN-NEW LOVER」と共に、マーキュリー在籍最後にリリースされたマキシシングルが、この「ミウ」。

その後、BUCK-TICKはBMGに移籍となったため、この2枚のマキシシングルはオリジナルアルバムのワンライフワンデスに入る事が無く、神曲ミウがその後のベストアルバムにしか入らなかったのは残念でならない。

ということで、せめてここで紹介させてもらえればと思います。




01.ミウ

〜詞:櫻井 曲:星野〜

(夢見るアゲバのように、狂い咲く花園)

PVのとおり、何やら暗雲立ち込めるような風が吹きすさぶBGMの中、冒頭からかき鳴らされる星野のアコースティックのあと、いつものバクチクサウンドたる、ベース、ギター達が重なり、そして星野のこれまでの2大傑作、JUPITER、ドレスを彷彿とさせる櫻井の透き通ったヴォーカルがはじまる。

歌詞の世界としてのイメージは、ミウといったある一つの象徴的な少女を思うといったところか。

薔薇色のように赤い血を流すほどに苦しんだミウよ、そんなに千切れた羽を自ら望むように羽ばたいていくのか。
そこで狂い咲くほどに咲き誇ろうというのか。

しかし、最後は自由に開放されたように、編み上げブーツを履き、ふわりと歩く少女が見える。

彼女の後を追って、自分も千切れた羽を身につけ、空を飛んでみようか・・・


この曲が出た当時のフールズメイトのインタビューを読む限り、櫻井の世界観として最期に希望の光をもっていきたかった、という事で、少女の事を思うこの男は、最後に何か希望を見出した。
しかし、それはもしかしたら死の向こう側で少女と一緒になれるかもしれない、という破滅との表裏一体のものだったのかもしれない。


なお、ネット上でのコメントでなるほどと思ったのは、この歌はこの1年前に突然の死を遂げたXのhideの、その年に発売されたシングル「ピンクスパイダー」のアンサーソングとしているのでは、という声。

千切れた羽を欲しがる、そしてアゲハチョウ、まさにピンクスパイダーに羽を奪われたアゲハチョウと、そしてその借りものの羽を身に付けて飛んだピンクスパイダーだったが、見事に堕ちてしまうという歌を受けての歌詞にピッタリだし、この歌が出来たタイミングも絶妙だ。

生前から交流の深かったBUCK-TICK、そして櫻井としては、少なからず影響はあったことだろう。


それにしても、同じく名曲・神曲の「JUPITER」や「さくら」もそうだが、この歌には「ミウ」なんて単語は一言も出てこない。

しかし、なぜかミウという曲名が、この透き通った世界観を持つ神曲にはピッタリと合う。

ちなみに、フールズメイトの中で、敢えて関係ない単語を曲名に持ってきただけとの櫻井のコメントだが、後になって坂本美雨さんとかもいるなと気付いたと名前の出た坂本美雨が、2020年1月にリリースされたトリビュートアルバムにて、このミウをカバーするという憎い演出がされた。
このカバー曲、女性が唄うミウもなかなかのもので、自分のお気に入りとなっている。


それにしても、本当に神曲だ・・・

JUPITER、ドレス、そしてミウと、これら神曲を創り出した星野英彦よ、あなたもやはり天才だ・・・
2020年1月に発売されたシングルのルナパークも、本当に良い曲だった。

ただ、このミウと共にルナパークもアルバムに入りそうに無いところが残念過ぎてならない。

今年出るはずの(コロナの影響で延期?)のアルバムに、ルナパーク、どうにか入れてもらえませんか?





02.パラダイス

〜詞:櫻井 曲:今井〜

(パラダイス 愛の幻想 生まれる前から カーニバル)

このマキシシングルのA面に来るかもしれなかった今井作曲、櫻井作詞のBUCK-TICKのスタンダード曲と言えるものであり、なかなかのクオリティーで製作されており、インパクトもある。

しかし相手がミウでは、最初から勝負になっていない・・・

ミウの場合、最初から星野が自信満々でデモテープ持ってきたというコメントもあるが、確かにミウはJUPITERやドレスの流れを明らかに汲んだものであり、やはり手応えがあったのだろう。

今井先生には申し訳ないが、このミウに勝てる曲などそうは作れない。

・・・パラダイスの紹介部分なのに、結局ミウの事を書いてしまうくらい、とにかくミウのインパクトが強く、それにBUCK-TICKのいつもの色を添えてくれる重要な副菜役がこのパラダイスという位置づけになってしまう。


それにしても歌詞の内容としては、まさにパラダイス、狂喜乱舞といったところ。

そういえば、この頃はまだまだクスリ関係の歌詞がギリギリ残っていた頃か・・・



以上、星野3部作の一つ、ミウのマキシシングルの紹介でした。
どうも、いまいちミウの素晴らしさが表現しきれていないというか、何を書けばミウの素晴らしさが伝わるのか、やや消化不良。
気分が乗ったら文章に手を入れるかもしれません。

どの言葉も神曲ミウの前では全て薄れてしまう。。。



(2020.05.07UP)






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