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BUCK-TICKシングル紹介・批評
『獣たちの夜/RONDO』(2019.5)


BUCK-TICK 獣たちの夜/RONDO

横棒


デビュー30周年を越え、38枚目のシングルとなった獣たちの夜とRONDOのダブルリードトラックとなった1枚。

ダブルリードトラックとは、つまりダブルA面ってことですかね。


ちなみに、このシングルの2週間後に幕張メッセで開催されたライブの名称が「ロクス・ソルスの獣たち」。
明らかにこの獣たちの夜からもじったものであり、ロクス・ソルスとは、フランスの小説家・ルーモンルーセルの作品であり、パリ郊外のモンモランシーにて、天才科学者カントレルの奇想の発明品が並ぶ広大なロクス・ソルス荘を舞台にした奇想天外な物語ということで、そのロクス・ソルス荘で夜な夜な繰り広げられる奇々怪々なパーティで狂乱する男女の獣たち、といったところを意識した名称でしょう。

また、今井曰く「ロクス・ソルスは<人里離れた場所>って意味があって。それ、異端児的な意味にも取れそうだなと」という意味もあるとのこと。


そして、この幕張メッセでのライブの凄いところは、「相変わらずの「アレ」のカタマリがのさばる反吐の底の吹き溜まり」がセットリストに入ったということ。

あの、BUCK-TICKファン以外にはお経にしか聞こえない、しかし間違いなくBUCK-TICKファンにとっては名曲である、その歌の中の”泳げるサカナ、泳げないサカナ”のサカナ(魚)。

そもそもBUCK-TICKのファンクラブの名称の「FISH TANK」の金魚鉢とは、金魚鉢に魚がいっぱいいて共通の目的がある感じ、ということで今井寿が名付けたらしいが、まさにその魚がいっぱい戯れている様子をイメージした曲であり、BUCK-TICKの神髄を突いた代表曲の一つと言える。

あれを、ライブでやったのか・・・

想像しただけで圧巻だ。


さらにアンコールでは、メンバーがステージを降り、客席の中央に設けられた円形の離れ小島のステージまで客席の間をタッチしながら歩くという、これまでに考えられなかった演出でその円形のステージに上がり、あの狂った名曲BOY(ケダモノ)などを披露。

BUCK-TICK ロクス・ソルスの獣たち

そして、アンコール2ではあのBUCK-TICKの中でも1、2を常に争う名曲中の名曲、神曲と言える「さくら」
その時はさくら色の花吹雪が舞い上がるという、最高の演出付きだったとのことで、相変わらずのアレとさくらを一緒に聴けるなんて、本当に奇跡のようなステージだったに違いない。

BUCK-TICK ロクス・ソルスの獣たち

ああ、行きたかったな・・・と今更ながら後悔先に立たず・・・


話は完全に曲から離れ、ライブの話になってしまったが、とにかくこの獣たちの夜とRONDOの歌について書いておきます。

ニューアルバムは2020年夏に発売ということで、それの1年3か月ほど前に発売されるシングルということで、アルバムに入る可能性もかなり低そうかなと・・・

やはりアルバムに入らない曲はその後に聴く回数等も減りがちなので、できればみんな入れてくれないものかと思うが、それが業界というものか・・・




01.獣たちの夜

〜詞:櫻井 曲:今井〜

(愛という名の獣たちよ 禁断の実をアアンアン)

禁断の実を食べ、獣となりきるアダムとイブ、そして腰を振って狂ってくれと、最近よくキーワードに上がりがちなケモノ系の曲。

スピード感があり軽快でありながら、微妙に曲構成に変化を付け、BUCK-TICKらしい深みを加えている。
そして、導入部分からサビの部分にかけても同じリフが延々と繰り返されるという、異端性も見せる。
この、不思議なことに何回リピートで聴いても聴けてしまう魔法がBUCK-TICKの曲にはかかっている。

またライブの時に気付いたが、わりとクラップ音が入っており、そこで手拍子を打たなくてはいけないため、ファンにとっても気の抜けない曲だ(^-^;)




02.RONDO

〜詞:櫻井 曲:今井〜

(夢に夢に夢にさまよい、くるくると廻る)

本当に夢の中でいつまでも廻り続ける、踊り続けるといった幻想系の曲。

アニメ・ゲゲゲの鬼太郎のタイアップ曲ともなり、いつまで踊り続ければいいのかといった狂気さなども噛み合い、基本的にはタンゴのリズムであり、オフィシャルテキストからも「タンゴのリズムに乗って、サビの旋律が何度も繰り返される輪舞曲。<夢>という言葉が何度も繰り返され、ノスタルジアが押し寄せてくるような世界観。Text:金光裕史」

また、この曲にはちょくちょく絡むようになってきた黒色すみれのバイオリンとアコーディオンも加わり、いっそ妖しさが加わっている。

アニイのコメントにもあるとおり、ポップなんだけど、よく聴いたらなんか変、だから飽きない、まさにこの対照的な2曲はそういったバランスを保っている。





(2020.03.07UP)






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