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BUCK-TICKアルバム紹介
『HURRY UP MODE』(インディーズ時代のアルバム・1990.2 CD再販)


横棒


はじめに、このアルバムの時代は私ははっきりいってファンではありません。
まあつまりそんなに好きではないアルバムの曲紹介を行うということであり、今回のページはいわゆる資料的な、これまでのバクチクの歩み、歴史を振り返り、このバクチクがあったから今のバクチクがある、といった原点を探るような紹介になるかと思います。

ところでこのアルバムは原曲はインディーズ時代1987年4月発売のレコードのものであり、1990年にCDとして再販したものらしい。
どうりでだいぶ初期の、良い意味で若々しく、初々しく、悪く言ってしまうと素人っぽい曲だと思った・・・(失礼)

このCDの再販からわずか1年であの伝説のアルバム「狂った太陽」が発売されるとは誰が予想できたことでしょうか。

ある意味、バクチクはこのCDの再販をきっかけに過去をいったん捨て、新しい世界に挑戦しようとしたのかもしれない。
(ところで1987年発売のCDの方には「VACUUM DREAM」と「NO-NO-BOY」という曲も収録されているらしいが、私の持っているCDには入っていない。おそらく再リリースの方なのだろう。この2曲が入っているCDは未だにオークションで高値取引だとか。)


最初に書いておきますが、この頃はほとんどの曲が今井寿(当時の名称はHISASHI)が作詞作曲。


01.PLASTIC SYNDROME TYPE ・

※この曲だけ作曲が櫻井、作詞が今井
え!?櫻井が作曲で今井が作詞???
まあ、インディーズ時代だしね。


(どうしようもなく焼きついて 涙ぐむのは軽薄で)

まだ若い恋に恋する時期の揺れる思いを唄っているような感じですかね。

曲調は非常にポップ。ノリが命。
とにかく連呼する部分が多い。
まあ中身よりもライブのノリ重視だからね〜この頃は。


02.HURRY UP MODE

(あざやかすぎたのは無数のJEAROUSY)

歌の冒頭でNIGHTLESS BABYLONと連呼しているが、つまり「夜も関係ない栄華と罪悪の都」という意味でしょう。

そして最後には分かっているさ、HURRY UP MODEと言いきる。
これからどんどん人気を上げ時代を駆け抜けようとしているバクチクの勢いをそのまま歌にしたような曲ですね。
そしてこのアルバムの表題曲というわけか。


03.TELEPHONE MURDER

(Woo No more tear drop Woo Once more fantasy)

曲名は直訳すると”電話の殺人者”?。
う〜ん?当時はまだ携帯なども普及していなかったから、自分の学生時代などは意中の人に何か用事があるときは直接電話するしかなかったですが、まさにその電話するときのドキドキ感を歌にしたのかな〜
たった一本の電話を巡って妄想を抱いたり、不安を抱いたり、恐れと希望が入り交じるような・・・
おそらく携帯メールなどが全盛期の今の若者には何の事やらわからないだろうけど。
なにかっちゃ、メアド交換して、とりあえず軽いやりとりからコミュニケーションがとれるとは、便利になったものだ。まあ便利なのか精神的に貧しくなったかは時代の変遷ゆえか。


04.FLY HIGH

(OK? Oneself to the fly high)

この曲はいい。この初期のアルバムの中にあって、やはり今井の天才ぶりがこの時期で既にわかってしまう。
このアルバムが出来てから20年経った今聞いても新鮮。
Cross a dreamのバックコーラスの入れ方などは完璧だ。

サビの「OK? Oneself to the fly high」のバックコーラスの後に「かすかに羽根をふるわせ」と櫻井が唄うフレーズが繰り返されるところなんて格好いいね〜今聞いても。

表題曲のHURRY UP MODEよりも数段いい曲を敢えて表題にしない。 この頃からバクチクのちょっとひねりを加えた部分が既に出ているという事だろうか・・・


05.ONE NIGHT BALLET

(すべてカオスな夜に"You can tell me memories"よこしまで)

題名は直訳すると「一夜のバレエ」。
ある夜に出会った男女が一夜限りの恋のダンスを踊りあうといった感じでしょうか。
う〜ん、バブルの匂いがプンプンで当時の感覚が懐かしい。
その華やかな都市のイメージを抱きながら、私のような田舎者の中高生は憧れをもったものです。
そういや当時のバクチクのメンバーも藤岡市の片田舎で少なからず同じような感情があったのでは?
これも今の若者にはあまりないよな。
憧れを持つより先に、まずは実際に行ってみるだろうから。
なんだか、徐々に今の教育のあり方について考えてしまうような?


06.MOON LIGHT

※この曲だけ作詞が櫻井

(Moon-light あやしい暗闇 ドレスに変えて)

非常にポップで当時のバクチクの勢いを感じる。
いや〜それにしても詞が軽い。
これも月明かりの下で2人だけの夜を楽しめればそれでいいじゃない、といったワンナイトラブ的なノリを感じる。
この歌のもと、当時の若い女の子はワーキャー言ったんでしょうね。

この歌はこのアルバムの中でもよく出来ていると思う。
こういう歌をこの時代で既に簡単に作ってしまう今井はやはり凄いな〜


07.FOR DANGEROUS KIDS

(いつまで続けるつもりなの 機械にかこまれ Woo every day)

曲調も単調だし、そんなに印象に残る曲ではないけど、軽い歌詞ばかりのこのアルバムの中で、この歌はどこか警鐘を鳴らすような、危険な若者、という直訳の題名どおり、当時の若者の暗闇の部分にスポットを当てたような感じか。


08.ROMANESQUE

(Just one minute Just one minute Oh no stop with me romanesque)

ロマネスクとは10世紀末から12世紀にかけて西欧に広まったキリスト教美術様式という意味らしい。
もはや単語の意味よりも響き重視で題材を選んでいるとしか思えない。
これもジュリアナなどの装飾重視だったバブル時代にぴったりの、虚像を皮肉った歌じゃないだろうか。

ボディコン、センス、狂乱の中で宙を舞う札束、、、その着飾った虚飾の幻影は、本当に意味があるのかい?前が見えているのかい?
まさにそのとおりでございます、今井様。


09.SECRET REACTION


(SECRET SECRET SECRET REACTION)

これも若者特有の不安、葛藤などを表わしているのだろうか。
秘密な、隠されたリアクション。
まああまり曲的には印象は薄いけど。


10.STAY GOLD

(Ah ダンスを からかう奴は とぶことをわすれているはずで)

このアルバムの終わりに、随分と粋の良い曲を持ってきたものだ。
どこかアニメの主題歌チックな感じもする。

こういった格好良い曲がたまに飛び出すところはまさに今井らしい。
今でもこのひたすら子供ウケするような格好良い曲は実は今でもたまに作られる。




まさに軽いノリの曲が多く、それでも歌詞のほうは暗い部分も織りまぜながら、どことなくバクチクらしさを出そうとしている。
まさに今のビジュアル系の原形といえる当時のバクチク。
時代の先端を行っていたんだな〜と感じるし、そりゃ人気も出るわ、と納得の1枚だった。






(2007.03.16UP)






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