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BUCK-TICKアルバム紹介・批評
『惡の華』(1990.2)


BUCK-TICK 惡の華

横棒


惡の華は、前作TABOOから3カ月後に、今井が麻薬の件で捕まり、半年間の謹慎を余儀なくされた後に、復活の証としてリリースされたもの。


そもそも惡の華とは、フランスの詩人、シャルル・ボードレールの詩集の題名であり、なかなかに難解な内容らしい。

その惡の華と名付けられたシングルは、人気絶頂のままに敢え無く今井の事件で謹慎となり、そして復活するという、まさに世の若者たちの溜まって爆発するパワーをそのままぶつけるようなヒット曲となり、長らくBUCK-TICKの代名詞がこの惡の華だったイメージがある。
逮捕された今井が、自らを惡の華と名付けるという、随分と皮肉と洒落の利いた題名といえる。


そんなこのアルバムの内容は、前作TABOOから片鱗が見え始めたダーク系がかなり盛り込まれており、そしてこの翌年にリリースされた史上最高の銘盤・狂った太陽で、いよいよ完結する。

このダーク系を真に理解し、そしてその後も付いて行けたか、もしくは当時はまだその深すぎる世界観にとまどいを感じ、離れていったか、この辺がボーダラインだったのではと思えるところ。





01.NATIONAL MEDIA BOYS

〜詞:今井 曲:今井〜

(キミニ告グ ユメワオワラナイ 殺しのファンファーレ)
(狂気の淵で君を待つ天才と神の気まぐれ)

不老不死の夢を追い、そしてモアthanゴッド、などの詞から、今井の歌詞らしく神の領域まで近づこうとする人類を皮肉っている歌らしい。

そこに、アドルフなどの単語のとおり、かなりヒットラーも意識した曲のようで、今井本人いわく、ヒトラーには興味があるとのこと。
天才はやはり天才を見ている。

アルバム1曲目でかなりキャッチーな曲調であり、麻薬騒動で不安がらせたファンに対し、いつもの今井節を曲、歌詞ともに見せつけられ、まずは奇妙な安心感を与えたんじゃないだろうかという曲。

今思えば、この曲がBUCK−TICK初期の頃の、最後のキャッチーでいて、ポップが残る曲と言えるか。



02.幻の都

〜詞:櫻井 曲:今井〜

(歌え踊り狂え)

その後のダーク系でもよく出てくるアラビア調を取り入れた曲調。

存在自体が怪しいアラビアンの世界、街で、怪しい愛の女神と激しい一夜を過ごすと。

歌詞も櫻井節が効いている。




03.LOVE ME

〜詞:櫻井 曲:今井〜

(細い手首をかみ切る 媚薬が傷にしびれる)

ご存じ、ライブで観客が一斉に両手を左右に振り揺らす、お馴染みの定番曲。

細い手首をかみ切り、そしてそこに流し込む媚薬がしびれる・・・随分とまた刺激的というか、危うい歌詞だな〜と。
この辺の快楽と死の隣り合わせ、ギリギリのところ攻めている感じが、この頃のBUCK−TICKらしいというか、やはりクスリの影響というか・・・

良い時代だな〜と感じる。




04.PLEASURE LAND

〜詞:星野 曲:星野〜

(あ〜 真昼のデジャブ momentary pleasure land)

星野の作詞、100%星野英彦のBUCK-TICKの曲は、おそらくこの1曲だけという、大変希少価値のある1曲。

祝福の地、という題名通りの短めの歌詞と曲で、星野らしいバラード担当ということで、3曲目までの刺激的な曲の後に、そろそろ変化を付けようとした星野らしい幻想的な、かなりゆったりとした綺麗な世界観の一曲。




05.MISTY BLUE

〜詞:櫻井 曲:今井〜

(爪先にはそっとロマンス 抱きしめればきっと幻)

MISTY BLUE、曖昧な青。

これまたBUCK-TICKの曲にありがちな一夜のロマンスを濃厚に表現したセクシー系の1曲。

ら〜ら、ららら〜のコーラスの重ね方も良い感じ。
個人的にBUCK-TICKのコーラスの入る曲は全般的に好きだ。

相変わらず、こういう曲があるからこそ、女性ファンにはたまらないのだろう。




06.DIZZY MOON

〜詞:ヤガミトール 曲:星野〜

(outburst lasts all night)

TABOOの「FEAST OF DEMORALIZATION」以来、2曲目となるヤガミトール作詞曲。

DIZZY MOON、眩めく月ということで、やはり前作と同じく、揺らめく月のように怪しげな男女の関係の事を題材に、お洒落にまとめた感じの歌詞となっている。

歌詞の内容としては、今井より櫻井調といった感じか?
アニイも今でももっと作詞すればいいのにと思う今日この頃。
アニイ本人いわく、歌詞はなるべく聞き手の想像、イメージがふくらむようにしているとのこと。
おそらく未だ2曲しかないアニイ作詞の記念すべき1曲。



07.SABBAT

〜詞:櫻井 曲:星野〜

(麝香の風にそよぐ never Live nor Die)

いよいよダーク系本番といった感じの曲の出だしの中、背中合わせの生と死、快楽と絶望を歌詞にまとめている。

かなり今のBUCK-TICKにも通じるところのある曲調。

サバト=悪魔との宴で、その後の破滅を顧みず、今の快楽にと身を落としてしまう男女といった感じの怪しげな世界。

なんか、このアルバムそんな内容ばかりじゃないか?




08.THE WORLD IS YOURS

〜詞:櫻井 曲:今井〜

(メガロポリスの果て燃え尽きる 月夜にもう二度と目覚めない)

THE WORLD IS YOURSというのは、和訳すると世界はあなたのモノ、思いのままといったところだが、歌詞の内容は随分と身の破滅のことを書いている。

そもそもTHE WORLD IS YOURSという単語は、1983年のアルパチーノ主演のマフィアモノの映画「スカーフェイス」の中で重要なシーンでのキーワードとして出てくる単語であり、一時期は麻薬王となった主人公が、その後の抗争の中、メガロポリスの果てで燃え尽きるという、主人公の数奇な運命への皮肉を歌にしたようなところか。

これも結構なダーク系の一曲。



09.惡の華

〜詞:櫻井 曲:今井〜

(遊びはここで 終わりにしようぜ)
(燃える 血を忘れたわけじゃない 甘い ぬくもりが 目に染みただけ)

今井の逮捕劇から明けて、復活のセカンドシングルとして世に出した一曲がこの惡の華であり、待ちに待ったファンが話題性と共に熱狂的に購入した一番のヒット曲であり、代表曲。

まさにこのアルバムの表題曲そのものであり、正直、しばらくの間、このCDはアルバムではなく、惡の華という曲を中心としたマキシシングルといった位置付けと捉えていたが、実はしっかりとしたアルバムであることを知って、ようやくこの紹介ページのアップへとこぎつきました(汗)。

いや、でもそれだけこの曲の存在感が圧倒的過ぎます・・・


BUCK−TICKをよく知らない人でも、この曲だけは聞き覚えがあるだろう。
なんといっても、出だしのキャッチーでひたすらカッコイイ、今井のギターのリフ、そして歌詞の出だしの「遊びはここで終わりにしようぜ」、更にはサビの「燃える血を忘れたわけじゃない」、といった中高生の想像をかきたてる刺激的な歌詞が、あまりにも今井のスピード感のあるメロディーによく絡み、まさにベストマッチの名曲。

あまりにもメジャー過ぎる曲であり、変化球好きのB-Tファンとしてはいい加減聞き過ぎた曲なので、自分はBUCK-TICKの歴代10位の曲としてはランクインはしないが、しかし時代を代表する名曲であることには変わりはない。



10.KISS ME GOOD-BYE

〜詞:櫻井 曲:今井〜

(月に抱かれ、もうこのまま、全て消えてしまえば)

男女の別れの曲を切なく歌い上げたバラードで、このアルバムの締めくくりとしている。

今井のバラードはやはり一癖二癖ある音を入れてくる。




以上、とりあえず惡の華についてレビュー書けました・・・

もうかなり昔の曲なので、いまさら何を書けばいいのかわからないもので、全体的に歌詞が随分とシンプルだな〜と。

つい昨年2016年発売のアトム未来派は、どの歌詞も、そして題名も難解なキーワードばかりで、とにかく調べるのに時間がかかったけど、このアルバムだと逆にシンプル過ぎて書く事に困った感じでしたね。





(2017.4.17UP)

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