|
|
数多くあるバクチクのアルバムの中で全16曲と史上最高の曲数を誇るこのアルバム。
全ての歌においてダーク。
まさにダーク系を確立したといっていい異色のアルバム。(バクチクのものは全て異色のアルバムだけど)
このアルバムはバクチク上級者向け。初心者の方は絶対このアルバムから入る事はないように固くお願いします。
特に「見えない物を〜」はコアなファンの間では史上最高の曲と称されるマニアックな曲。
あの曲を理解するようになるには5年はかかります。
このアルバムと対峙する時だけはさすがの私も思わず身構えてしまうものがあります。
01.Loop
〜詞:櫻井 曲:今井〜
(感謝したい 心から 太陽と 水と 空気と あなたに)
私はこの曲紹介の中でいつもどんな曲だったか思い出すために代表的なパートの歌詞を書いておくのですが(本当は著作権に引っ掛かるんだろうけど、これくらいなら見逃してくれるでしょう)、なんとこの曲の正式な歌詞は上に書いた詞が全てです。
でもそれ以外に4分間にわたって櫻井が詩を延々と語っています。
まさに櫻井の女性ファンのためだけに捧げているような詩。
まあまさに導入曲であり、別にこれといって曲としての評価は・・・
02.love letter
〜詞:今井 曲:今井〜
(Is this what you wanted)
バクチクでは珍しい全て英語の歌詞。
英語の歌詞だとよくわからないのですが、どうも狂った男が求愛しているようです。
曲は櫻井がラップ調に英語の詞を歌うところは小気味いい感じです。
03.君のヴァニラ
〜詩:櫻井 曲:今井〜
(赤く充血しているヴァニラ 左胸が痛い)
いつも力強い、骨太な歌が身上の櫻井が珍しくわざとうわずった声で歌い続ける曲。
激しく愛を、あなたを求め続ける曲。
曲調的には・・・ポップぽいというか、でもやはりバクチクなんでそんなにポップではないし。個性的な歌なんで説明が難しいですね。
そもそも自分自身が音楽に詳しくないのに曲紹介やるのに限界を感じます。
04.鼓動
〜詞:櫻井 曲:今井〜
(この世に生きるあなたの鼓動 悲しい事は何もない)
バラード調でしっとりとこの星に生まれてきた喜び、儚さをしっとりと歌い上げている。
それらを命の”鼓動”というキーワードでまとめています。
優しい感じの歌ですね。
05.限りなく鼠
〜詞:櫻井 曲:今井〜
(甘い顔した少年よ 可愛い顔した少年よ)
今度は思いっきりしゃがれ声で櫻井が唸るように歌いあげる。
そもそもこの”限りなく鼠”というネーミングが素晴らしい。
それまでは純真無垢を装っていた少年が罠にはまった鼠のように追い詰められていく様が素晴らしくダーク。
繰り返し何回も聞く事はできないけど、重厚で個性的ないい曲です。
06.楽園(祈り 希い)
〜詞:櫻井 曲:星野〜
(愛の国 ここは楽園 愛し合い慰め合う)
地球の、日本という仮の平和にどっぷり漬かり、他の世界では血や争いが耐えないというのに、そちらにはわざと目を向けない。
楽園という偽りの平和を歌った曲。
星野の曲なのでやはりきれいめなメロディ、まさに楽園に流れるような幻想的なメロディです。
遠くで歌っているような櫻井のヴォ−カルがまた宗教っぽい。
07.細い線
〜詞:櫻井 曲:星野〜
(もうどうでもいい ランランラン)
櫻井がこれまたおもいっきりダーク調で低音響かせ歌いはじめる。
そのダークさ満点の曲調から、一転サビの部分ではランランラン、とおちゃらける。
これまた星野の曲でやはり今井の曲よりひと味違った良さがありますね。
星野らしくギターの低音を活かした曲調がまたいい。
いや、本当にギターがいいな。しばらく忘れていたけど、結構いい曲だな。
08.Somewhere Nowhere
〜詞:今井 櫻井 曲:今井〜
(どこだ どっちだ)
これはいわゆる間奏曲でしょう。
今井、櫻井が適当に余興半分で作ったんでしょう。
主人公ははじめどこがどこなのかわからない状態だったのでしょうが、どうやら行き先を見つけたみたいです。
09.相変わらずの「アレ」のカタマリがのさばる反吐の底の吹き溜まり
〜詞:今井 曲:今井〜
(泳ぐサカナ 泳がないサカナ)
これぞバクチクの裏の代表曲。
この曲をはじめて聞いた人はこの曲が歌という事すら理解できないでしょう。
永遠と繰り返されるお経のような今井がメインのヴォ−カル、綴られて行く意味不明の歌詞。
しかしこの曲を理解できてこそ、バクチクの奥の深さがわかるというものでしょう。
裏の代表曲だけあって、バクチクのオフィシャルファンクラブ「FISH TANK」の名前はこの歌のサカナからきています。
更に、six side is heaven/nine side is goとサビ(サビなのか?あのパートは?)のところで歌詞にあるとおり、このアルバムの表題曲でもあります。
バクチクの裏の部分が凝縮されたこのアルバムの中で、しかもその代表曲であるこの曲こそがバクチクを全て象徴する、まさにバクチクの代表曲となるのでしょう。
ただし、繰り返して言いますが、初心者では、一般の方では絶対理解できません。
こんな曲をシングルで売っても自殺行為でしょう。
しかし、そんな売れもしない、でもわかる人にはわかるこんな名曲を作ってしまうところがバクチクの最大の魅力なのでしょう。
コアなファンの方々はこの曲を一番に推す人があまりにも多いです。
バクチクのファンになり3、4年の私にはさっぱり訳がわかりませんでした。
しかし今ならわかります。
この曲こそがバクチクそのものなのです。
当時では信じがたい事に、この重厚すぎるマニアックな曲を今なら繰り返して何回でも聞けてしまいます。
ああ、本当にバクチクは麻薬そのものだ・・・
10.デタラメ野郎
〜詞:櫻井 曲:今井〜
(生きる 自由 死ぬ 自由)
まさに叫ぶように歌っている曲。
ていうか叫んでいます。
2005年、現在ではここまで叫ぶような歌はもう櫻井は歌う事はないでしょう。
とてもライブ中、声が持ちません。
リズムもいいし、櫻井の叫び声を聞いているとあっという間に終わる曲。
これも何回でも聞ける曲だから名曲の一つなのでしょう。
11.密室
〜詞:櫻井 曲:星野〜
(僕の醜さにいつも溢れ出す愛を)
星野の曲らしくバラード調ながらも骨のある曲。
櫻井も大変力入れて歌いあげています。
このアルバムの当時、この歌は好きでしたね。
決して一般の女性には受け入れてもらえない、このねちっこさ、しつこさ。
でも愛する人に対する願望はみんなそういう執着心のようなものでしょう。
内容が濃すぎるあまり、あまり繰り返しては聞けない曲です。
12.Kick(大地を蹴る男)
〜詞:櫻井 曲:今井〜
(大地を蹴り宙に舞う)
これは名曲ですね。
当時から大変気に入っている曲です。
特に「怖い夢みて〜」のところでの被せ方なんていいですね。
いや、その他でも全体的にバックコーラスとか被せ方が本当に絶妙な歌で、よく出来ています。
全体的にノリも良く、これは繰り返して聞けるなかなかの秀作、名曲です。
13.愛しのロックスター
〜詞:櫻井 曲:星野〜
(道化の化粧 派手な衣装で 芝居がかってる チャリティショー)
ロックスターになろうと、道化師になろうとどんなに脚光を浴びても、どこか空しさが残る。
観客は自分の内面なんか見やしない。
ブタになろうがサルになろうが、なんでも客にとっては笑えればいいんだ。
そんな曲のようです。
これもまた出だしから非常にひねりが利いていて星野らしい秀作ですね。
オリジナルテープをダビングするときはこの前のKickとこのロックスターは常にセットで必ずラインナップに入っていたものです。
そのテープを延々繰り替えして車で聞いているうちにどっぷりバクチクに浸かっていった私です。
14.唄
〜詞:櫻井 曲:今井〜
(どうして生きているのか この俺は)
先行シングルであり、このアルバムの表向きの代表曲。
このプロモーションビデオがなにやら変な化粧や櫻井は気味の悪いパーティ仮面を被ったりと好き放題やっていて、当時の友人達は「バクチクも終わったな」と呟いたものでした。
曲自体は非常に骨太な、力のこもった重厚な曲です。
だから繰り返してはあまり聞けませんが、シングル曲らしく聞きやすい曲です。
カラオケで歌うと気持ちいいだろうけど、「ああ、ああ、あ〜あ〜」のバックコーラスが誰かいないと寂しい。
15.見えない物を見ようとする誤解 全て誤解だ
〜詞:櫻井 曲:今井〜
(誰かが生きれば 泣いてやるさ いつでも)
ダークさ満点の曲。
実質このアルバムのラストを飾るこの曲がこれだけのダークさは、まさにこのアルバムを象徴しているといえます。
サビの部分の逆説的な、皮肉のこもった歌詞は好きですね。
まさにバクチクっぽくて。
(2005.10.20UP)
|
|